H.R.のドレッド

H.R.のドレッドを検証

一般的にはドレッドヘアといえばボブ・マーリーを連想する人が多いでしょう。

しかしアグレッシブなロック界でいえばBad BrainsH.R.を連想する人も多いのではないでしょうか?

今回はH.R.のドレッドレビューです。

H.R.とは?

H.R.(エイチアール)

本名はポール・ハドソン(Poul Hudson)で1956年2月11日生まれ。

通称のHRはHumanRightsの略です。

1978年にアメリカで結成され、ハードコアを基盤としつつレゲエやメタルなどの要素なども吸収したミクスチャーの元祖ともいわれるバンド、バッドブレインズBadBrains)のボーカリスト。

数多くのミュージシャン達からリスペクトされています。

H.R.のドレッドを検証

ではH.R.のドレッドヘアを時代をさかのぼって検証していきます。

まず地毛はアフロで色は黒。

1980年ごろボブ・マーリーに影響を受けラスタに傾倒し、フリーフォーム(櫛を使わないことによって髪を自然にドレッド化させる作り方)でドレッドを開始。

ごく短髪からのスタートでした。

1982年のCBGBライブ

1982年の映像では髪のドレッド化が進みつつあるのが確認できます。

細めのドレッドと、まだドレッドとまではいってないものの大きめの束状になりつつある髪の毛が混在しているのが分かります。

1985年のRock Hotelライブ

1985年になると、4本の極太ドレッドと細めのドレッドがちらほらという、かなり野性的で強烈なインパクトを放つ仕上りになっています。

サイドのあたりは以前細めだったドレッドが連結(コンゴ)したもの、後ろのあたりは太めのドレッドがさらに連結して極太になったものだと思われます。

髪質や生活環境などがコンゴしやすい状態だったようです。

1995年のGod Of Love発表時

1995年には極太ドレッドとちょこちょこ生えていた細めドレッドが共に長くなり、エキセントリックな印象が更にアップしています。

2009年のライブ

2009年には前述の極太4本ドレッドに加え、ちらほらあった細めのドレッドがコンゴして太い1本になったと思われるものが後ろ側に見られます。

また、ドレッド歴約30年(当時)のわりに長さがないので、2000年代のいづれかの時期に毛先をカットしたのではないかと思われます。

2010年からは、帽子などで頭をおおう事が多くなったので確認が難しいものの、帽子のボリュームやふとした時にチラッと見えたものから察するに、さらに短く切ったドレッドにしていた模様です。

その後は、2014年に脳の病気(SUNCT症候群)を発症し突発的な頭痛に悩まされライブをキャンセルせざるおえなくなるような状況が続き、2017年に手術。

正確な時期は分かりませんが、闘病期間中のいずれかの時期にドレッドをやめ、現在もノンドレッドです。

ちなみに

2017年に脳の手術を行った後、一旦は改善したものの1年後には再発し、現在も改善と再発を繰り返しているH.R.。

病気によるツアーキャンセルなどで金銭的な問題もかかえているH.R.を援助をするため、SUBLIME・Fish Bone・Living Colorなど様々なバンドがベネフィットライブで演奏したり、デイブ・グロール/チャーリー・ベナンテ/スコット・イアンらがBADBRAINSの曲をカヴァーするなどして助けています。

H.R.がいかにミュージシャン達に影響を与え愛され続けているかが分かります。

G.B.I.(デイブ・グロール達)によるThe Regulatorのカヴァー

まとめ

Bad BrainsのボーカリストH.R.のドレッドは、極太でワイルドかつエキセントリックな仕上がりでかなり個性的でした。

ドレッドヘアというのはある程度人目をひくものであり、時にはネガティブな反応がかえってくることもありますが、その中でも極太というと更なるリアクションが返ってくる可能性も考えられます。

そんな点からも、世間体より自身の価値観を大切にするH.R.の姿勢が感じ取れる気がしました。

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